2022年5月上旬。
まだ海風がひんやりと心地よい初夏の入り口。
7mののべ竿を手に、真鶴半島の磯へ向かった。
狙うはメジナ。
シンプルにウキ釣りで、静かな海に挑む。
出発前の準備と情報収集

釣行の朝、まずは真鶴駅近くの「あおき釣具店」へ。
早朝から開いており、事前に連絡しておけばエサを解凍しておいてくれる。
コマセ用にアミエビを2kg、付け餌にオキアミを1kg購入。
店主によると「最近はメジナがよく上がっている」とのこと。
期待が高まる。
腹ごしらえと作戦会議

釣具店の斜め向かいにある鶴寿司で腹ごしらえ。
20分ほど待つ人気店で、地元の魚が自慢だ。
握りを頬張りながら、棚の深さや流れをイメージして作戦を練る。
大将の気さくな会話も手伝って、釣りへの気持ちがさらに高まった。
真鶴半島の磯

著者がよく訪れる磯は、ややアップダウンはあるが比較的安全なポイント。
岩は滑りにくいものの、満潮時には波がかかるため注意が必要だ。
潮位が上がると一時的に離れ小島のようになる場所もあるので、時間を見ながら安全第一で立ち込む。
磯釣りでは、ライフジャケットを必ず着用し、足元はスパイクシューズでしっかり固める。
磯に立ち、大海原を前にした瞬間、胸の奥で何かが静かに高鳴る。
この瞬間こそが、磯釣りの醍醐味だ。
狙いはメジナ
メジナは力強い引きと賢い駆け引きで知られる人気魚種。
ウキが一瞬で消し込む瞬間の緊張感、竿を通して伝わる生命の鼓動。
そのやり取りがたまらない。
さらに、刺身・塩焼き・煮付けと、どんな料理にも合う上品な白身で、食べても抜群に美味しい魚だ。
仕掛けとタックル
セッティングのポイント
自然な漂いを演出するため、ガン玉は軽めに。
エサが波の動きに合わせてふわりと揺れるように調整するのがコツ。
釣り方と駆け引き

仕掛けを狙いのポイントに落とし、ウキの周りにコマセを撒いて魚を寄せる。
最初はやや多めに入れ、魚の反応を見ながら調整していく。
浅場にはフグ、岸寄りにはベラが多い。
まずは1ヒロから始め、半ヒロずつ深くして棚を探る。
ウキが波間で静かに揺れる。
心地よいリズムに身を任せていると、ある瞬間、ウキが一気に沈む。
合わせた瞬間、竿が弧を描き、糸が鳴く。
波の音よりもはっきりと響く“糸鳴り”が、磯にこだまする。
波路は7mの長竿ながら、30cm前後のメジナなら難なく抜き上げられる頼もしさ。
この緊張と解放の一瞬が、磯釣りの中毒性を生む。
釣果

この日は25cm前後のメジナが8匹。
外道として彼岸フグとベラも多かったが、磯での反応としては上々の結果だった。
海と風とウキの動き、そのすべてがひとつに重なる瞬間が、たまらなく美しい。

メジナは塩焼きが一番
30cmを超えるメジナは刺身で旨味を味わえるが、25〜30cm前後のサイズなら塩焼きが絶品。
鱗を落とし、塩を振ってグリルで焼くだけ。
皮の香ばしさと淡白な白身の甘みが際立つ。
海風に吹かれながら食べる塩焼きの味は、何よりも贅沢な“釣り人のご褒美”だ。
まとめ:のべ竿で味わう海のスケール
のべ竿一本で磯に立つと、リール釣りでは得られない緊張感と充実感がある。
7mの竿を通して伝わる波の力、魚の気配、そして風の匂い。
真鶴半島の磯には、自然と釣り人を無言で結ぶような静かな時間が流れている。
この海でまた竿を出したくなる——そんな余韻を残す一日だった。
